7月から開始した「ダークパターン・ホットライン」の進捗報告、
学生向けダークパターン啓発動画も公開

2025年10月15日(水)、ダークパターン被害の軽減と誠実なWebデザインの普及を目的に、「NDD(Non-Deceptive Design)認定制度」の正式運用を開始いたしました。また、ダークパターンを使用しているWebサイトを通報できる「ダークパターン・ホットライン」の進捗状況をあわせて発表するとともに、ダークパターンの理解促進と被害防止を目的に、学生(小中高生)を対象としたダークパターン啓発動画を公開しました。本取り組みを通じて、すべての消費者が安心してデジタルサービスを利用できる社会の実現を目指します。

「NDD認定制度」正式運用開始

NDD認定制度」は、ダークパターン(※消費者を意図的に誤認・誘導させる不適切なデザイン)を用いない誠実なWebサイトを、第三者が客観的かつ中立的に審査し、基準を満たしたサイトに改ざん防止機能を備えた認定マークを付与する制度です。本制度は、消費者の意思決定の自由を守り、誠実な事業者の努力を「見える化」することで、デジタル社会全体の信頼性と健全性を高めることを目的としています。

NDD認定審査について

審査は以下の3段階で構成されます。

1. 事業者による自己審査:

 ・「自己審査チェックシート」に沿った事業者の自己審査

2. 認定審査機関による1次審査:

 ・事業者は自己審査後、当協会へ審査申込

3. 当協会による最終審査:

 ・当協会の企業審査局での最終審査に合格すれば、誠実なWebサイトとして認定

審査費用について

詳細は下記リンク「NDD認定制度要綱【事業者向け】」のP44・45をご確認ください。

認定マークの表示と実装について

NDD認定マークは、以下3種類の認定範囲を示すアイコンとの組み合わせでWebサイト上の該当箇所に表示が可能です。

 ・組織的対策:組織的対策を説明するページ(非財務情報ページ等)で提示可能

 ・クッキーバナー:クッキーバナー上に提示可能

 ・購入前最終確認画面:購入前最終確認画面で提示可能

組織的対策の説明ページに表示する認定マークのイメージ

クッキーバナーに表示する認定マークのイメージ

購入前最終確認画面に表示する認定マークのイメージ

認定マーク表示の仕組み・認定情報表示画面について

Webサイト上のNDD認定マークをクリックすると、認定番号・認定範囲・ダークパターンについて疑義がある場合の事業者への問い合わせ窓口等の詳細情報がポップアップ、又は当該情報ページに遷移します。消費者へ認定に関する詳細情報を提供するとともに、認定マークを改ざんしにくい仕様としています。

NDD認定マークのステータス

認定マークは、初年度は「BRONZE」からスタートし、翌年度の更新で「SILVER」、さらにその翌年度の更新で「GOLD」へと認定ステータスが上がっていきます。

「ダークパターン・ホットライン」活動状況

2025年7月15日の開設以降、当協会では「ダークパターン・ホットライン」を通じて消費者から寄せられたダークパターン被害等に関する情報を受け付けています。

ダークパターン・ホットラインの目的

1. 3ヵ月に1度、統計レポート公開・注意喚起

消費者から寄せられたダークパターン被害や、ダークパターンを使用している疑いがあるWebサイト等の情報を集計、分析、統計化しレポートを公開。消費者向けに、流行の手口の紹介や注意点を共有し注意喚起を行う。また、事業者に対して、消費者がどのようなことで嫌な思いをしているかの情報を共有し、UI・UXの是正等に活用いただくことを狙いとする。なお、協会の正会員向けにはより詳細な通報内容の情報を提供。

2. 行政機関へ通報

明らかな法令違反については、消費者庁等の関連する行政機関に通報。

3. ガイドラインへの反映

ダークパターンの新しい手法等、必要に応じてガイドラインへ反映。

ダークパターン・ホットラインの進捗状況(25年7月15日~10月15日)

通報状況

 ・公開から3ヵ月で60件超の情報が寄せられた

 ・具体的な企業・サービス名、WebサイトのURLなどを含む

通報の傾向

①解約しづらい設計(約30%)

 ・解約やキャンセル方法が書かれていない・分かりにくい

②購入前最終確認画面での誘導(約20%)

 ・価格や条件が分かりにくい・見つけづらい

 ・選んでいない商品が自動的にカートに追加される

 ・あらかじめ有料会員プランがチェックされている 等

今後の予定

 ・第1回統計レポートは11月中旬に公開予定

「ダークパターン啓発動画」の公開

当協会では、デジタル社会における情報リテラシー向上を目的に、本日より「ダークパターン啓発動画」を消費者庁 消費者教育ポータルサイトおよび協会YouTubeチャンネルにて公開しました。学校教育の現場やPTAなど保護者の皆様も無料でご活用いただくことができます。

消費者庁 消費者教育ポータルサイト

動画公開ページ

協会YouTubeにも公開しておりますので、是非ご活用ください。

本動画は、消費者庁および文部科学省のレビューを経て制作されたものです。ダークパターンによって被害を受けている層の一つに、アルバイトなどでお金を持ち始めたが社会経験の浅い子どもたちがあげられます。情報リテラシーとダークパターン被害には相関があると考えられ、まずは学生(小中高生)に向けて啓発動画を制作しました。今回の動画教材は、気をつけるポイントや立ち止まるタイミングを自然に学べる構成で制作しております。

一般社団法人ダークパターン対策協会現在正会員を募集中

当協会は、ダークパターンによる消費者被害を軽減するために、ダークパターンではないWebサイトを審査し認定マークを付与するNDD認定制度を通じ、消費者が安心できるWebサイトを判別できる一つの目安を提供し、日本企業のビジネスに対する信頼構築に貢献してまいります。日本企業による消費者保護の強化を推進し、健全で持続可能なデジタル社会を実現することを目指しています。当協会の活動に賛同し、支援をいただける企業・団体の皆様は、ぜひご応募くださいますようお願い申し上げます。

正会員のメリット

・ダークパターン・ホットラインの詳細分析情報の取得

・他の正会員との交流イベントへのご参加

・有料セミナーの無料聴講

・月刊ニュースレターの受信

・ガイドラインのバージョンアップを検討する「NDD認定制度・ガイドライン構築

・分科会」の議事録の閲覧と意見出しが可能

一般社団法人ダークパターン対策協会の今後の取り組み

【その他現在対応中の取り組み】

・ダークパターンスコアリングAIツールの開発

現時点では審査員により判断がぶれる恐れのある「商品・サービス説明画面」でのダークパターンについて、事業者が消費者を自社に有利なように心理的に誘導している度合いをスコアリングするAIツールを開発中。当該ツールを利用することで審査基準を確立し、ガイドラインバージョンアップと審査範囲拡大へ活用。

・一般向けダークパターン対策啓発動画制作中(年明け公開予定)

■お問い合わせ

ご不明点やご質問は、下記までご連絡ください。

enquiry@ndda.net