ダークパターン対策協会は、2025年10月15日にNDD認定制度の正式運用を開始いたしました。
運用開始にあたりいくつかお問い合わせをいただいておりますので、中でも多くのお問い合わせをいただいている内容を記載しております。

ダークパターン対策協会の活動主旨

ダークパターン対策協会では、以下の図のように消費者の正しい選択行為を妨げるおそれのあるものをグレーゾーンと位置づけています。このグレーゾーンを中心に正面から向き合い、消費者に対する注意喚起を行い、消費者被害を減らすことを目指しています。違法行為やクッキーバナーにのみに焦点をあてているということは決してなく、幅広くグレーゾーン問題に取り組んでおります。詳しくは是非、NDD認定制度要綱、ダークパターン対策ガイドライン、自己審査チェックシートをご覧になって頂ければと思います。
また、誠実に対応する企業がダークパターンを駆使する企業に同じ市場環境で短期的には負けてしまうという「正直者がバカを見る」状況の是正や、知らない間にダークパターンを実装して加害者になっている企業の是正を目的として活動をしています。

加えて、ダークパターン・ホットラインにより、ダークパターンを通報頂ける窓口を運用しております。3か月に1度分析をして、消費者に最近の手口の公開、事業者には消費者から嫌われる実装の公開などを通じて注意喚起を行います。通報の中で明らかな法令違反がある場合には関係省庁に通報をいたします。これら頂いた情報はガイドラインのバージョンアップ時の参考情報として活用させて頂きますので、是非窓口にご意見をお寄せください。


また一般にダークパターンというとOECDの24類型などを指すことが多いですが、実際の欺瞞的行為はこれにとどまらず日々進化をしております。尚、明らかな法令違反の欺瞞的行為にもこのダークパターンが駆使されることがあることにも消費者への注意喚起が必要と考えています。

詐欺に含まれるダークパターン

法に触れないグレーゾーンだけがダークパターンの類型を使っているという訳ではありません。
詐欺のような犯罪や明らかに特定商取引法や景品表示法に違反しているサイトなど、法律違反のサイトもダークパターンの類型を駆使していることが多くあります。
例えば、ダークパターン啓発動画のうち高校生向けのケース③の動画を見て頂くと、この詐欺サイトではアクションの強制や偽りの希少性といったダークパターンの類型が使われています。

脆弱性のある生活者である高齢者や子どもは特に騙されやすい傾向にあるため、ダークパターンの手口を知ることで怪しいと感じ、一旦立ち止まり、周りに相談するなどの行動をとってもらえるようになることで消費者被害の削減に寄与できればと考えております。

クッキーバナーとダークパターンの関係

EUでは、明確な同意を取らずに必須クッキー以外のクッキーをセットしてデータを取得することはEUでは規制されています。フランスのデータ保護機関(CNIL)により、クッキーバナーでのダークパターン利用に対して制裁金が課せられている事例もあります。

特に、偽のクッキーバナーの表示により、消費者の選択どおりの挙動とはなっていないものや「同意」ボタンのみの表示で同意を強制するなど、消費者に嘘をついたり、同意を強制するような欺瞞的な行為は日本でも見られるようになってきました。特に脆弱性のある生活者のクッキーのプロファイリングにより、偽広告の表示、さらにダークパターンのサイトへの誘導による二次被害の発生など看過できない状況になっています。

ダークパターン規制の所管について

ダークパターンに対する規制は日本にもいくつかありますが、景品表示法は消費者庁、個人情報保護法は個人情報保護委員会、独占禁止法は公正取引委員会というように、省庁を横断した対応となっています。2025年10月時点で日本におけるダークパターンに関する所轄省庁は明確に定まっていません。