豊中市立第十一中学校(〒560-0005 大阪府豊中市西緑丘2丁目11-1)において、2026年2月19日(木)および2月27日(金)に、「インターネット上で巧妙に利用者を誘導するダークパターン」をテーマとした授業が実施され、一般社団法人ダークパターン対策協会制作の「ダークパターン啓発動画」が活用されました。


【事例取材】ネットの罠を見抜く力を養う:高校での「ダークパターン啓発」授業 第2弾 (大阪府豊中市立第十一中学校)
https://youtu.be/Q2BT_gynJHQ
ダークパターンとは
ダークパターンとは、オンラインサービスやWebサイトにおいて、利用者にとって不利益となる選択や誤認を招く可能性のある設計・表示手法を指します。
近年では、
・定期購入の解約導線が分かりにくい設計
・小さな文字による注意書き表示
・選択肢の偏りによる事前チェック
などが問題視されており、消費者トラブルや誤認表示に関する相談も増加傾向にあります。
こうした背景を受け、学校現場における情報リテラシー教育の重要性が高まっています。
授業内容
本授業は、デジタル社会における情報リテラシー向上を目的とした教育活動の一環として、家庭科の授業内で実施されました。インターネット上では、十分な知識がないことで不利な選択をしてしまう、あるいは意図せず誘導されてしまう可能性があることを出発点に、生徒が「正しく情報を読み取る力」を養うことを目的としています。
学習の流れ
授業冒頭では、「知識を持たないことでだまされてしまうことがある」というテーマについて講義形式で導入を行いました。
その後、啓発動画を視聴しながら教員がポイントを解説。続いて、生徒は3人1組のグループに分かれ、小学生向け教材動画を活用し、「どの点をどのように説明するか」を話し合いました。ジグソー法を用いることで、生徒一人ひとりが“先生役”となり、ダークパターンの仕組みや注意点を自らの言葉で説明。理解を深めるだけでなく、他者に伝える力を養う構成としました。
授業の後半では講義形式に戻り、適切なオンラインサービスの目印となる「NDD認定マーク」について説明。安全な選択を行うための具体的な判断材料について学びました。
授業の成果
授業後、休み時間に「あれ、ダークパターンやったんちゃう?」と生徒同士が話すなど、学びが日常に結びついている様子が見られました。また、「自分も知らなかったので勉強になった」という保護者の声も寄せられました。子どもたちがダークパターンの構造を理解し、自ら説明できる段階まで到達し、学びが家庭にも広がっていることが確認されています。
教育現場での意義
校長は、「デジタル社会において、正しい情報を見極める力は不可欠であり、ダークパターンをテーマとした授業は極めて重要」とコメント。
家庭科担当教員からも、「スマートフォンが身近な中学生にとって、消費者トラブル防止は実生活と直結する学び」との声が寄せられました。
AIの進化やオンラインサービスの高度化が進む中で、消費者教育の重要性はさらに高まっています。
「ダークパターン啓発動画」について
■ 消費者庁 消費者教育ポータルサイト
https://www.kportal.caa.go.jp/
■ 協会YouTube
・【ヤッターマン解説】その同意、ちょっと待って!|それ、ダークパターンかも!?仕方なく同意編(2:31)
https://youtu.be/a-yD-vM1dXc?si=Rn783vfdngLIHPtQ
・ダークパターン啓発動画ダークパターンオンパレード篇小学生向け①(3:06)
https://youtu.be/TJJh9N6sM2Y?si=OjyT5wBM93Oe7V2h
・ダークパターン啓発動画ゲームは楽しいけど注意して!篇小学生向け② (3:27)
https://youtu.be/PbJ6yQd5ARo?si=Hjl26ZquuVZHwLn4
・ダークパターン啓発動画定期購入には要注意!篇小学生向け③ (4:07)
https://youtu.be/sqxqp-45sjI?si=gGKXRqWYgHIUHcdB
【授業の様子】




大阪府豊中市立第十一中学校 生徒 コメント
■ 生徒インタビュー1人目
「今回の授業では、隣の席の人や班のメンバーと意見を出し合いながら取り組むことができ、とても良い経験になりました。ダークパターンという言葉自体は知りませんでしたが、偽サイトがあることや、気をつけないと危険な場合があることは何となく知っていました。実際に、ページを開いたときに「同意」だけが表示されて不安になった経験があり、そのときは親に相談して対応してもらいました。今回の授業を通して、もしまた不安なことが起きた場合でも、一人で抱え込まずに親や大人に相談することが大切だと改めて感じました。自分で判断しきれないときは、周りに頼りながら対処していきたいと思います。あと祖母がスマホを使い慣れなかったりしているのですが、危ないサイトなどが出ても大丈夫なのかわからないと思うんです。だから祖母にはこのダークパターンについて伝えたいと思いました。」
■ 生徒インタビュー2人目
「ダークパターンっていう言葉を今日初めてちゃんと知って、こんなふうに人をだます仕組みがあるんだとわかって、すごく勉強になりました。これからは、サイトの小さい文字や注意書きもちゃんと読んで、すぐにクリックしたりしないように気をつけたいです。今まで怖い思いをしたことはあまりないんですけど、もしこれから不安に思うことがあったら、自分だけで決めないで、お母さんや家族に相談してから行動しようと思います。」
川村 健市(かわむら けんいち)校長 コメント

■ ダークパターンをテーマにした授業の重要性について
現在、インターネットやSNS上ではさまざまなトラブルが発生しており、子どもたちには正しい情報を見極める力がこれまで以上に求められています。今回のようにダークパターンをテーマにした授業はデジタル社会において非常に重要であり、必要性の高い取り組みであると感じています。
■ 授業にダークパターン対策協会の動画を活用してみて
子どもたちはTikTokなどの短い動画を視聴することには慣れていますが、今回活用したヤッターマンの動画や啓発動画は、コンパクトで分かりやすく、効果的な教材でした。
また動画の完成度が高く、内容をもとに子どもたちが自分の言葉で説明する場面があったことも、大変良い学びにつながったと感じています。
■ 保護者からの反応について
保護者の皆さまからは、非常に良い反応をいただいています。「分かりやすかった」「これまで知らなかった」「このマークは初めて見た」といった声が寄せられ、本取り組みを実施して良かったと感じています。本校の教育目標の一つに「人とのつながりを大切にする生徒の育成」があります。今回の授業では、自分自身が正しく理解することはもちろんですが、その学びを保護者や祖父母、地域の方々といった身近な人に伝え、守るという視点も大切にしました。子どもたち自身が被害に遭わないことだけでなく、家族や周囲の大人が騙されないことも、子どもたちの安心や幸せにつながります。そうした観点からも、今回の家庭での共有を促す宿題は非常に意義のある取り組みであったと考えています。
授業担当・家庭科 松崎 弘太(まつざき こうた)先生 コメント

■ 授業実施の背景と目的
ダークパターンは、SNSやスマートフォンが当たり前となっている中学生にとって非常に身近な課題です。家庭科の消費者教育で「お金」を扱う中でも、特に生徒が日常的に使うスマートフォンに潜む危険に焦点を当てたいと考え、今回の授業を取り入れました。実生活と直結する内容として、自分ごととして捉えてほしいという思いがあります。
■ 今後の期待と教育の広がりについて
AIの進化など時代が大きく変化する中で、スマートフォンは最も身近な存在です。だからこそ、自分の身を守るだけでなく、家族や周囲の人を守る力を身につけてほしいと考えています。これからは、調理や裁縫だけでなく、お金の使い方や消費者トラブルを防ぐ力を育てる教育がより重要になるはずです。
当協会では、本事例をモデルケースとし、全国の教育機関におけるダークパターン対策授業の展開を目指しています。ダークパターンによる消費者被害の未然防止と、インターネット上の信頼性向上に向け、教育・啓発活動を継続してまいります。
実施概要
日時:2月19日(木)・2月27日(金)
場所:豊中市立第十一中学校 〒560-0005 大阪府豊中市西緑丘2丁目11-1
対象:中学1年生 約40名
使用教材:協会制作「ダークパターン啓発動画」(消費者庁・文部科学省レビュー済)
内 容:
・ジグソー法を用いたグループワーク
・ダークパターン啓発動画を活用したディスカッション形式の授業
お問い合わせ
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